龍谷大学 経営学部「経営革新論」の講義に、投資育成の投資先である吉川鐵工株式会社 代表取締役社長の吉川晃平様にご登壇いただきました。
今回、吉川社長には自身が取り組まれてこられた様々な経営革新の内容についてご講演いただきました。その一部をレポートいたします。
吉川鐵工株式会社はリベッティングマシンの国内シェア7割を有するニッチトップ企業で、無借金経営の盤石な財務基盤を有している。吉川社長は創業者である祖父に憧れ、子供の頃から社長になることを決意し、メガバンク勤務を経て、当社に入社した。しかし、入社当日、社内の雰囲気の悪さに、入社を後悔することとなった。盤石な事業基盤からくる圧倒的な危機感の欠如、強すぎる現状維持バイアス。人間関係も悪く、若手を中心に退職者が相次いだ。そこで、納得感のある評価やモチベーションアップ、管理職の意識改革などを目的に、人事評価制度を導入。ときに、管理職の入れ替え等苦しい決断を下しながら、組織改革を進めていった。2023年、社長就任時には「全員が誇りをもって働ける会社にしたい」と宣言。工場見学など様々なイベントに参加すると、社員が自社の魅力に気づく良い機会となり、雰囲気も明るくなっていった。
「自分の人生を振り返ると、これまでの進路などは全て自分で決めてきた。親に言われたから・・・などで決めるのではなく、何事も自分で決め、自分事としてやると人生は楽しくなる。自分の人生でやりたいことを自分で決めるようにしてほしい。今後については、リベッティングマシンの可能性はまだまだある。色々なことに挑戦しながら、モノづくりの喜びが感じられる、皆が常に笑っていられるような会社・環境を創っていきたい」など楽しそうに未来を語る吉川社長に対し、学生から多くの質問が寄せられていました。
吉川社長、貴重なお話をありがとうございました。
【吉川鐵工株式会社 会社概要】
主力のリベッティングマシンのほか、部品供給・組立・検査・搬入搬出といった自動化設備の設計・開発・製造を行う総合システムメーカー。「リベッティングマシン」はリベット(鋲)を加工し、複数の部品を接合する工作機械(日用品でイメージしやすいのはハサミの刃の接合)で、独自のローリング工法カシメを採用し、直圧プレス加工に比べ20 ~ 30%の低推力を実現している。回転塑性変形により鋲の座屈や母材の歪を抑制でき、安定品質を確保しているほか、電動サーボ式では推力・加工速度・ミクロン単位での送りの制御ができ、精密部品に適応している。2024年、第7回「学生に教えたい“働きがいのある企業”大阪府知事賞」受賞。
【本社所在地】大阪府四條畷市蔀屋新町3-7
【拠点】本社工場(第1~第3)、東京営業所、名古屋営業所
【従業員数】53人
【会社HP】https://riveting-mcn.co.jp/