四天王寺大学経営学部 「実学マネジメント論」の講義に、投資育成の投資先である株式会社栗原 代表取締役社長の栗原亮様にご登壇いただきました。
今回、栗原社長には、日本における帽子の歴史を振り返りつつ、株式会社栗原が創業来100年超に亘っていかにマーケットの変遷に対応してきたか、その取り組みを学生へのメッセージとともにご講演いただきました。その一部をレポートいたします。
株式会社栗原は、1922(大正11)年に栗原社長の祖父が創業した帽子問屋「栗原商店」が始まりで、栗原社長はアパレル企業を経て、三代目として入社しました。
現在、自社で企画・生産した帽子を量販店や全国有名小売店に納める卸売事業、スポーツメーカーや有名ファッションブランド、アミューズメントパークなど取引先企業のブランドで生産するソーシング(OEM)事業、オリジナルブランドの「OVERRIDE(オーバーライド)」、「Chapeau d’ O(シャポードオー)」など自社の店舗で販売するリテール事業、オリジナルブランド及び仕入商品をインターネット上で販売するEC事業の4つのチャネルを展開しています。
日本の明治時代から第二次世界大戦後まで、世の中の成人男性はほぼ全員が帽子を被っていました。日本では、明治政府による断髪令で髷を切り落とした頭を隠す用途から、文明開化の象徴として広く普及したもので、西洋でも未舗装路に舞う埃から頭部・頭髪を保護する目的が普及の背景にありました。
ところが、第35代アメリカ大統領ケネディが、それまでの慣例にとらわれず無帽で就任式に臨んで若さをアピールしたことなどもあって、次第に紳士の身だしなみから、子供や女性のグッズへとその用途が遷り変わっていきました。
その後、70年代から90年代にかけて、それぞれの時代で自己の表現や音楽シーンを飾るツールとして、帽子自体が一つのファッションとして捉え直され、ファッションの細分化・多様化が一層進んだ2000年代以降は、ネットの普及やSNSの隆盛によって個性をアピールするアイテムとして再び脚光を浴びるようになりました。
こうした近年の変化に対応して、株式会社栗原では、ブランディングの強化(誰に、何を伝えるか)、Instagramの活用(ブランドを知ってもらい、もっと好きになってもらうためのSNS活用)、帽子を被る機会“コト”の提供(サウナ愛好家のためのサウナハットの開発とイベントの開催、ナイトキャップなど生活シーンに応じた帽子の提案)など、様々な取り組みを進めています。
また、SDGsの各目標を“自分ごと”として考え、ジェンダーレスファッションの提案といった多様なニーズへの対応、環境配慮型素材の使用、長くご愛用いただくためのお手入れ方法の発信、要らなくなった帽子を回収したリセールやアップサイクルへの展開など、サステナブルな取組みにも力を入れています。
――どんな時代でも、どんな産業でも、どんな商品でも、どんなサービスでも、その時の時代に合わせて、変化し続けることが大切。
「変える」ことと「変えない」こと。帽子というフィールドに一貫して携わりながら、「帽子と地球、社会との共生」に向けて常に新しい取り組みにチャレンジしています。
本講義では、出席した学生全員にオリジナルブランド「OVERRIDE(オーバーライド)」、インポートブランド「KANGOL」の帽子がプレゼントされました。栗原社長、貴重なお話と学生へのお心遣い、ありがとうございました。
【株式会社栗原 会社概要】
創業100年超を誇る帽子専門の製造卸売業者。日本国内に55店舗、アウトレット15店舗、海外でも中国に10店舗の自社店舗を構え、消費者起点をもとにした商品・ブランドの開発と特性に応じた販売チャネルの構築に取組んでいる。
【本社所在地】大阪市西区靭本町2-7-6
【従業員数】70人
【会社HP】https://www.kurihara-corp.com/