大阪公立大学商学部 「技術論」の講義に、投資育成の投資先である株式会社福井製作所 代表取締役社長の福井洋様にご登壇いただきました。
今回、福井社長には、「世界シェアNo.1 日本の強み」と題して、7年間に亘る韓国での勤務経験と創業80年を迎えるものづくり企業の三代目としての実体験を踏まえ、ここ20年における時代の移り変わりと国際競争の劇的な変化、大企業とニッチトップの違い、世界に誇れる日本企業の強みなどについてご講演いただきました。その一部をレポートいたします。
株式会社福井製作所は大阪府枚方市に所在する「安全弁」のメーカーで、LNG運搬船用は世界シェア90%を誇り、業界TOP 3 の一角を占めています。
気候変動による地球温暖化がもたらした「2050年カーボンニュートラル」という世界的な課題に向けて、オーストラリアと神戸を結ぶ水素サプライチェーンの構築(液化水素の運搬)、ノルウェーでの大規模CCS(二酸化炭素回収・輸送・貯留)プロジェクト、愛知県碧南市で実証が進められているアンモニア混焼火力発電など、これら世界初の取り組みすべてに関わり、その一翼を担っています。
20年前と比べ、求められる人材像は、「言われたことをきっちりできる人」から「自分の頭で考えて行動できる人」へと変化しました。何より変わったものは「スピード」と「情報の可視化」です。
事業の集合体である大企業では、従来であれば1つの事業が揺らいでも他の事業でカバーすることができました。ところが、ここ20年で大企業は意思決定を早めるために相次いで分社化を進めました。かつては強みでもあった多くの人数を抱えることがマイナスとなり、今や大企業は自分たちのコアの事業や技術に集中し、コアでない分野は頼れる会社・人・技術に頼っています。
特にコロナ禍は国内メーカーのポジションを劇的に変えました。大企業が技術を伝承することも評価することもできなくなり、総合商社のコーディネート力も低下した現在では、下りてくる仕事を待つのではなく、サプライヤーが市場の変化・見通しを分析して自ら能動的に提供できるかが問われています。「阿吽の呼吸」が通用しなくなった今、自分の気持ちを言葉で伝えることが一層大事になっていると感じる所以です。
日本と韓国では歴史背景も異なりますが、その国民性の特徴を考察すると、とにかくまず挑戦して、失敗してから改善するのが韓国、失敗をしないようじっくり検証して取り組むのが日本です。日本が世界に誇れる強みは「きめ細やかさ」と「チームワーク」です。走りながら考える時代には柔軟性が求められますが、その源泉はチームワークにあります。果たして皆さんはどれだけ日本の強みを自覚しているでしょうか。まず挑戦しようとするならば、大企業ではなくニッチトップを選択することをお勧めします。
本講義では、自分の意見を伝えることの勇気や大切さを少しでも実感して欲しいとの想いから、受講生が福井社長の質問に答える双方向形式で進められました。福井社長、貴重なお話と学生への心強いメッセージ、ありがとうございました。
【株式会社福井製作所 会社概要】
安全弁世界TOP 3 の一社。LNG船安全弁は世界シェアNO.1。枚方工場でモノづくりを一貫して手がけ「日本品質」を提供。海外売上が8 割で、アフターサービスネットワークは、世界18カ国へ展開し納入後のフォローにも力を注いでいる。
【本社所在地】大阪府枚方市招提田近1 – 6
【従業員数】200人
【会社HP】https://fkis.co.jp/