大阪公立大学商学部 「技術論」の講義に、投資育成の投資先である株式会社OSPホールディングス 代表取締役社長の松口正様にご登壇いただきました。
今回、松口社長には、OSPグループの概要、グループ発展の礎となった技術の歴史、グループの企業文化についてご講演いただきました。その一部をレポートいたします。
■ OSPグループの概要
OSPグループは、グループを統括する株式会社OSPホールディングスをはじめ国内に9社、海外に7社の事業会社を有する、ラベル・パッケージに特化した世界でも類を見ないコングロマリットです。グループ出荷額は1,350億円、連結売上高1,180億円、総従業員数は約5,000名を数えます。中でもシール・ラベル、紙器パッケージおよびラベラーの製造・加工、販売を手掛ける大阪シーリング印刷株式会社はシール印刷業界で売上1位、印刷業界全体でも4位に位置し、食品分野のラベル印刷市場では3分の1のシェアを占める業界のリーディングカンパニーです。また、粘着紙(ラベル原紙)の市場においても、グループのOSPレーベルストック株式会社が30%のトップシェアを誇ります。
ラベル事業において、原材料の仕入からラベル原紙の製造、印刷・加工、仕上げ発送までの一連の工程だけでなく、印刷機の製造、DTP(Desktop Publishing)、版の管理・製造もグループ内で完結。一部工程を外部企業に頼る水平分業型(ネットワーク型)ではなく、グループ内の各社が自立しながら川上から川下までをトータルで行う垂直統合型(縦型)の経営を展開しています。
■ 技術史
OSPグループ(大阪シーリング印刷)は1961年に「不乾燥粘着糊付きレッテル製造方法」の特許を取得。技術の普及を優先して全日本シール印刷協同組合連合会に同特許を譲渡・分権しました。さらに今までにない技術であったため、設備を自社で開発し、それまで1枚ずつの手作業だった貼付け作業を全自動で行うことを可能にしました。
その後、大規模小売店舗(スーパーマーケット)の出現、コンビニ市場の拡大、eコマースの普及と小売業の潮流が対面販売からセルフサービスへと変遷する中で、POSに対応したラベル原紙(サーマル紙=感熱紙)の自社製造、日本初となる「多層コート」技術によるフィルムサーマルの開発にも成功、現在では食品容器内に窒素を充填し、熱により圧着する「トップシール」で食品の賞味期限延長を実現し、SDGs(食品ロスの減少)にも貢献しています。
こうして業界のリーディングカンパニーの地位を確固たるものにしてきたOSPグループですが、その道のりは生産工程における“段取り替え”を短くする戦いでもありました。如何にして段取り替え=稼げない・稼いでいない時間を少なくするか。利益率は高いが利益が少ない小ロットの案件でも同じ紙、同じ色、同じ型を集めれば中~大ロットの案件に変化する。そのために撮影スタジオの設置、40万点に上るオリジナルサービスフォトの無料提供、顧客へのPC・プリンタの配布などの取り組みを進めて、「集め倒して利益を生む(⾚字の仕事を集めて⿊字にする)」独創的な収益モデルを築き上げています。
■ 企業文化
「お客様に感謝し、正しい行いを守り、利欲のとらわれた不善を恥じ、素直に良い仕事をお届けしようとする思い」を表す「顧客第一義」(≠「顧客第一主義」)のもと、価値ある商品を製造供給することで社会に貢献するだけでなく、誰もが生きることに勇気のいらない社会、誰もが働くことに勇気のいらない会社を目指しています。
松口社長、貴重なお話をありがとうございました。
【株式会社OSPホールディングス 会社概要】
シール・ラベル製造を中心に,フィルム軟包材や紙器材などパッケージ全般を手掛ける総合パッケージソリューション企業。海外にもグループ企業7 拠点を設け,国内・海外のシナジー効果を強化している。
【本社所在地】大阪市天王寺区味原本町6-8
【拠点】《国内》大阪シーリング印刷、OSPアドバンス、OSPレーベルストック、プリントビズ、オークテック、OSPマシナリー、OSPトレーディング、OSPハートフル《海外》PRIMARK AMERICA、大阪希琳閣印刷(蘇州)、威海延豊膠粘印刷、OSP LABEL(THAILAND)、OSP CEBU、OSP AUSTRALIA、OSP Europe
【従業員数】5,000人(連結)
【会社HP】https://www.osp-holdings.co.jp/