関西大学商学部「ベンチャー論」の講義に、投資育成の投資先であるアンダーデザイン株式会社 代表取締役社長の川口竜広様にご登壇いただきました。
今回の講義では、川口社長から「パーパス起点の事業開発」をテーマとしてご講演いただきました。講義の中では、「パーパス」の詳しい説明や、時代に合わせたリブランディングの重要性などについても解説していただきました。その模様の一部をレポートいたします。
アンダーデザイン株式会社は、1949年創業の老舗企業です。創業当初より電話設備工事を主業とし、電気通信系統の整備を中心に発展してきました。川口社長は大学卒業後、大手企業に勤務したのち、米国ミシガン大学でMBAを取得し、リーマンショック直前の2007年に入社しました。入社当時の会社は「いわゆる昭和のオフィスでネガティブな雰囲気が漂っており、このままでは会社が潰れてしまう」との危機感を抱いていたと言います。
そこで川口社長は、挑戦を重んじる風土・文化の醸成を目指し、構造改革および成長戦略に取り組みました。さらに、創業100年に向けてリブランディングを開始。グループ会社の再編、社名変更、職場環境の整備、ワークスーツの刷新など、さまざまな施策を打ち出しました。こうした取り組みで得られたノウハウを活かし、現在ではITインフラ構築やAWS導入を含むICTソリューション事業、ワークスペースの設計・施工など、企業の働く環境を包括的にサポートする事業へと領域を拡大しています。
挑戦を尊ぶ風土や文化が社内に根づいてきたことを受け、2024年には社内公募でプロジェクトチームを立ち上げ、10年先の未来を見据えた「パーパス」「ミッション」「ビジョン」「バリュー」を約1年かけて策定しました。これらの取り組みをより分かりやすく伝えるため、「パーパス動画」および「カルチャーデック(※)」を制作し、公式ホームページに掲載しています。
https://underdesign.co.jp/culture/message/
川口社長は、「パーパスで経営が成り立つのかが大きな課題。これを乗り越えていかなければなりません」と語ります。現在では、パーパスの実現に挑戦するため、社内に蓄積されたノウハウを活用し、地域活性化プロジェクトにも取り組んでいるとのことです。
※カルチャーデックとは、社員間や組織内で共通の認識を持てることを目的に、企業や組織が何を大切にしているか、哲学や経営理念、行動指針などをまとめた資料で、当社では未来へ向かうストーリーを絵本にまとめている。
川口社長は学生に向けて、「パーパスを起点に、利益の追求とよりよい社会の実現を両立することが、これからの時代においてますます重要になります」と、熱意を込めて語りかけました。さらに、ゴールデンサークル(物事を「Why(なぜ)→How(どのように)→What(何を)」の順で伝えることで、相手の共感を得やすくなるという理論)についても解説され、「まず、『なぜそれをやるのか』、そして『誰とやるのか』を考えると、仕事はより面白くなります」と学生たちにアドバイスを送りました。
これから社会に羽ばたいていく学生たちにとっても、組織変革やパーパス策定の取り組みは、多くの学びにあふれた、非常に貴重な経験となったことでしょう。
川口社長、魅力的なご講演をいただき、誠にありがとうございました。
【アンダーデザイン株式会社 会社概要】
電話工事業からスタートし76年、企業・公共向けの情報通信・電気設備・クラウド等ITインフラ設計・施工・構築・運用・保守を得意とする。近年ITインフラとデザインを組み合わせ、働きやすい環境を構築する自社の取り組みからワーク&アートスペース事業を展開しており、多数のメディア掲載実績がある。
【本社所在地】大阪府東大阪市長田3-5-11
【拠点】東京オフィス、名古屋オフィス
【従業員数】216名
【会社HP】https://underdesign.co.jp/