近畿大学　経営学部「中小企業経営者論」

投資育成の投資先企業経営者にご登壇いただき、リレー形式で講義を行っています。

今回は富士電子工業株式会社　代表取締役社長の渡邊弘子様にご登壇いただき、「中小企業の目指すダイバーシティ経営とSDGｓ」というテーマでご講義いただきました。
その一部をレポートいたします。

付加価値の高い分野に特化するなど、利益率を重視した経営を進めておられる同社。高周波誘導加熱を利用した同社製品は、使用時に排出するCO2がゼロと、エネルギー利用効率が非常に高いことから、環境対策として幅広く産業界から注目を集めています。

「日本は海外と比較してジェンダー・ギャップが大きく、それを是正していくことが日本のGDP成長につながる」と語られた渡邊社長。会社の持続的な成長のためにも、女性、海外人材、高齢者など多様な人材活用の必要性を実感され、自身が働く母親であった経験とともに、積極的に社員の意見を採り入れて、社内でダイバーシティ経営を推進してこられました。具体的には、フレキシブル勤務の導入、子供手当の充実など社内環境の改善や、ハラスメント防止委員会の設置などの風土改革、資格報奨金制度、育児支援、奨学金返還支援など、社員が能力を最大限発揮できるための取り組みについて、お話しいただきました。

同社の取り組みを知り、社長をはじめ経営陣が社員一人一人に柔軟に向き合うことができることこそが、中小企業の強みであると、受講した学生達の心にも強く印象に残ったのではないでしょうか。

渡邊社長、貴重なお話をありがとうございました。

【富士電子工業株式会社 会社概要】
1960年の創業以来、高周波誘導加熱を利用した熱処理設備や応用技術に取り組み、自動車業界を中心に世界的な評価を受けている会社です。自動車のクランクシャフトや工作機械のボールねじの焼入機で全国シェアの８割を占めるなど、様々な熱処理設備をオーダーメイドで設計・製作しています。近年は、IoTを活用した装置の稼働状況等のデータ可視化サービスの提供も開始しています。

【本社所在地】大阪府八尾市老原6-71
【会社HP】https://www.fujidenshi.co.jp/